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DCONは高専生の成長を促すだけでなくディープラーニングの発展にも貢献する

ハード/ソフト両面に優れた素晴らしい作品
鳥羽商船高専にウエスタンデジタル賞を授与

―DCON2021にご協賛いただいた理由についてお聞かせください。

ウエスタンデジタルは、『データの持つ力で社会的課題を解決する方法を創造する』をビジョンとして掲げています。目先の利益をただ追うのではなく、豊かな社会をつくるために 『最先端のテクノロジーで社会をイノベーションする』 というミッションを実行していくことが重要だと考えています。

DCON2021は「増大するデータ活用を促進する」、「ディープラーニング×ハードウェア」、そして 「未来ある高専生エンジニア・高専生事業家を支援する」 というテーマを掲げています。ウエスタンデジタルはこれに賛同し、協賛することにいたしました。

―DCON 2021の内容や、今回の結果などを踏まえた感想をお聞かせください。

DCONの取り組みで素晴らしい所は、アイデアだけでは優勝することはできず、ハードウェアを開発しディープラーニングとしっかりと結び付けて具現化させ、さらには高い事業性が伴わないと上位に食い込むような高い評価を受けられない点だと思います。

しかし上位入賞できなくても、若い高専生がDCONを通じて起業を意識しながら作品をつくり上げることで、学生としての成長を促すとともに、将来的なディープラーニングの発展にも貢献することになると考えています。

ウエスタンデジタル賞は、鳥羽商船高専に授与いたしました。
鳥羽商船高専の学生たちは、IoT技術を活用した潮位/水温測定用観測機を自ら開発したというハード面の技術力、観測機から収集したデータと気象庁のデータを組み合わせてディープラーニングで最適解を導き出すというソフト面の技術力の双方が優れており、新たなデータストレージ活用の可能性を示してくれた素晴らしい作品でした。

また、三重県の伊勢湾の海苔養殖と地元密着である地域貢献から生まれたアイデアを、他の養殖産業へ転用し、さらにアジアマーケットまで視野に入れている点に高い事業性を感じました。

若者ならではの新たな発想や着眼点
高専生は未来を切り拓く先駆者になれる

―貴社のAIを活用した事業や取り組みをご紹介ください。

当社はハードディスクドライブ (HDD) や、フラッシュメモリーを使ったメモリーカード、ソリッドステートドライブ(SSD)といったデータストレージを供給しているグローバル企業です。私が所属するフラッシュメモリー事業部はキオクシアとのジョイントベンチャーにより、日本を拠点にフラッシュメモリーの開発と生産を行っています。

また、当社には高専から大学院を経て入社した従業員も多く在籍しています。高専出身の方は材料や機械、情報、電気、化学などの専門分野をよく勉強され、実践的で結果を意識する方が多い印象です。

最大の拠点である四日市工場は、世界のフラッシュメモリーの約1/3の出荷量を誇る巨大な工場で、半導体製造装置が数千台という規模で設置されています。半導体製造装置はIoT技術の塊のようなもので、多くのセンサーから検出されたデータがデータサーバーに蓄積されます。そうして蓄積された大量のデータと実際の製品の検査データを組み合わせ、そこにAIを活用することで高度なプロセス制御や異常検知が可能になっています。

また、当社は”Data for Good”をテーマとして、研究所や企業とデータの可能性を創造する取り組みを行っています。スタンフォード大学とのマンモグラフィー画像診断精度向上や、ブラックホールの発見で有名となったEvent Horizon Telescope Projectなどへの支援もおこなっています。

三重県四日市市の半導体工場内クリーンルーム

―高専生たちへエールをお願いします。

今回の作品からは、若者ならではの新たな発想や着眼点、グローバルな視点を感じ、皆さんがAIの成長期となる来るべき重要な時代を担う先駆者になれると確信しました。

これからは、自分たちの可能性をより高められるように、AIのみならず様々な技術やビジネスモデルに好奇心を持って触れる機会を増やしてはいかがでしょうか。失敗を恐れず、失敗に学びながら、自身の道を切り拓いてください。