時代の先駆者たる高専生
人類を幸せにする発明や発見を

ウエスタンデジタル合同会社
プロセス技術部 シニアディレクター
鏡直芳氏

データがもたらす可能性を見出し
未来を幸せなものにする活動を支援

――高専DCON 2022にご協賛いただいた理由についてお聞かせください。

ウエスタンデジタルは、スマートフォンなどでデータを保存するために使われるフラッシュメモリーや、データセンターなどで活用されるハードディスクドライブといった、データを記録するためのストレージデバイスを開発、製造、販売するデータインフラストラクチャー企業です。今日におけるデータは記録目的だけではなく、医療を進化させて人命を救い、自動運転を高度化させて交通事故を減らし、自然災害の発生を予測して被害を抑えるなど、人々の幸せのために活用されています。

DCONは、高等専門学校生の皆さんが日頃培った「ものづくりの技術」と「ディープラーニング」を活用した作品を制作し、その作品によって生み出される「事業性」を企業評価額で競うコンテストです。私たちウエスタンデジタルは、この「ものづくりに密着した『現場感のある』『実践的な』ディープラーニングの活用によって『社会課題解決に取り組む』」というコンセプトに強く共感し、昨年(DCON2021)より特別協賛というかたちで参加させていただいています。データがもたらす可能性を見出し、社会に役立てていく。人類の未来を幸せなものへと進化させる、そんな活動を支援していきたいと考えています。

―― 現在、日本企業が競争力を高めていくなかで、既存事業に対するAI技術の利活用、または融合は不可欠なものとなりつつあります。そのような中で、高専生のような人材はどのようなことに貢献できるとお考えでしょうか?

デジタルトランスフォーメーションが進み、私たちの生活は進化し、便利なものとなってきています。それでも人類が幸せになるためには、まだまだ多くの課題が存在しており、その解決にデータの活用が役立つかもしれません。社会課題を皆さんの知識と組み合わせ、考え、研究し、実践を繰り返して完成したアイデアを、さらに改善や改良に取り組んで精度を高めていく、そんな創造性高い学びをこれからも続けていって欲しいと願っています。そして、その「学び」を自らの技術として習得し、社会に還元してくれる最も高い可能性を持つのが高専生だと、私は考えています。

AI成長期、来るべき重要な時代に
先駆者を担うのは高専人材

―― 日本のものづくりに多大な貢献をしてきた高専人材ですが、御社にとって高専人材とはどのような人材であることを期待されていますか?

高専生の皆さんは、実践的でかつ創造力の高い人材が多いと感じています。私たちウエスタンデジタルでも、高専を卒業後、大学院へ進み、自身の専門分野の知識をさらに高めたエンジニアが活躍しています。いまや、「KOSEN」は世界で通じる言葉となり、高い評価を得ています。実践的な経験と共に取得した技術を、AI・ディープラーニングと組み合わせることで、人類を幸せにするための発明や発見を数多く生み出して欲しいと期待しています。

――高専生へのエールや、学生の今だからこそ取り組んでほしいと思うことをお聞かせください。

DCON2021で初めて高専生のみなさんの作品を拝見しました。いずれの作品も若者ならではの新たな発想や着眼点、グローバルな視点を感じ、高専生の皆さんがAIの成長期となる、来るべき重要な時代を担う先駆者になれると確信しました。それはDCONに参加しても、参加しなくても、高専生の皆さんすべてに言えることだと思っています。自分たちの可能性をより高められるように、AIのみならず様々な技術やビジネスモデルに好奇心を持って触れる機会を増やしてはいかがでしょうか。失敗を恐れず、失敗に学びながら、自身の道を切り拓いてください。

© DCON 2022