先端技術を積極的に活用し
社会・未来を担う人財に

KDDI株式会社
理事 経営戦略本部 副本部長
宇佐見典正氏

”社会実装に繋げる力”を養う高専生は
今後日本経済や産業の発展を牽引する人財

――高専DCON 2022にご協賛いただいた理由についてお聞かせください。

日本が目指すSociety5.0の実現に向けては、5G、IoTなどICTの活用により、全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有される社会基盤の構築が必要となります。KDDIでは、これらテクノロジーで地域課題の解決に貢献するため、地域教育機関等との連携により、「起業家」「ICTを支える人財」「DXを推進する人財」の3つの人財育成の取り組みを進めています。

この一環として、7つの高専(舞鶴、福井、長岡、仙台、鳥羽、長野、明石)と連携協定を締結し、日本の将来を支える人財の育成への支援を進めており、今後もICT企業の使命として、この取り組みを続けていきたいと考えています。

DCONは、高専生がものづくりとディープラーニングの活用で課題を解決し、その事業性を競うコンテストです。高専生に、今後の社会を支え、未来を担う人財になって欲しいとの思いから、DCONに協賛させていただいています。

――現在、日本企業が競争力を高めていくなかで、既存事業に対するAI技術の利活用、または融合は不可欠なものとなりつつあります。そのような中で、高専生のような人材はどのようなことに貢献できるとお考えでしょうか?

バリューチェーンにおける付加価値構造を示す言葉として「スマイルカーブ」という言葉が使われますが、付加価値の源泉が中間工程から上流/下流工程にシフトしてきており、単に製品をつくるだけではなく、付加価値の高い製品/サービスの開発や顧客との接点構築が重要になっています。

高専生の皆さんは、数学、理工系の専門的な知識を身につけながら、実験にも取り組まれており、“ものづくり”だけではなく、”社会実装に繋げる力”が養われています。この力は、まさに付加価値の高いサービス開発に活かせる能力です。社会に出てビジネス経験を積み重ね、さらに磨きをかけていくことで、今後の日本経済や産業の発展を牽引する人財として活躍されていくのではないかと考えています。

旺盛な好奇心と探究心で挑戦することが
ビジネスを生み出す力の源泉になる

――日本のものづくりに多大な貢献をしてきた高専人材ですが、御社にとって高専人材とはどのような人材であることを期待されていますか?

日本は「課題先進国」と呼ばれ、少子高齢化、後継者不足、インフラ老朽化など様々な社会課題が世界の中で一足早く顕在化しています。

Society5.0では、これら社会課題の解決と経済発展との両立が求められています。高専生の皆さんにはIoT、ロボット、AI等の先端技術を積極的に活用することで、この両立の懸け橋となり、様々なイノベーションを創出していって欲しいと考えています。

――年々起業評価額や投資額の最高額が上がり、作品の水準も上がっています。DCON2022の参加チームや作品には、どのようなことを期待されていますか?

2021年より、JDLAが高専生の起業を応援する「DCON Start Up応援1億円基金」を設立しました。皆さんのアイデアと技術力が社会実装され、社会課題の解決に繋げていただけるよう、昨年度に引き続きDCON2022の参加チームの皆さんも是非起業にチャレンジして欲しいと考えています。

――高専生へのエールや、学生の今だからこそ取り組んでほしいと思うことをお聞かせください。

学生という今だからこそ、何事にも旺盛な好奇心と探究心を持って、果敢にチャレンジしてもらうことを期待します。

ここで得られる経験が、これからのビジネスを生み出す力、これからの地域づくりを担っていく力の源泉になると考えています。

© DCON 2022