DCON2023本選出場チームを取り上げる取材企画。今回は、DCON2020以来の本選出場となった鳥羽商船高専のshiraishi labに、現在の制作状況や本選に向けた意気込みを伺います。
今回は以下5名の学生さんにご協力いただきました!
[チーム紹介]
- リーダー:荻田さん
- プレゼンター:川上さん
- プレゼンター:松本さん
- 開発担当:松葉さん
- 開発担当:服部さん
<チームの集合写真>
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鳥羽商船高専
・三重県は伊勢半島、鳥羽市に設立された国立高専
・商船学科・情報機械システム工学科・電子機械工学科・制御情報工学科の4学科に専攻科が存在
・本選には本インタビューの「shiraishi lab」ほか、「ezaki-lab」の2チームが出場
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出典:https://tourmkr.com/F1AU1XYP66/39255121p&41.32h&98.37t
─ 本日はインタビューへのご協力、ありがとうございます。早速ですが、作品のことをお聞きします。
我々shiraishi labの作品は、深層学習を活用した温州みかん栽培支援システム「選果せんか?」 です。果実の外観をもとに等級を付ける選果機にAIを組み合わせて病気のチェックをする「プレ選果機」と、樹木を画像識別することで農薬の散布を自動で切り替える「アタッチメント式防除機」の2つを組み合わせたシステムとなっています。
─ 農業の課題というと、やはり人手不足の深刻化という印象があります。
おっしゃる通りです。私たち白石研究室では、農業に対して共同研究をはじめとした種々の研究を行っていますが、現場のヒアリングや実地調査を重ねる中で、人手不足や高齢化という事実を目の当たりにしています。実際に目の当たりにする分、どうにか解決したいと思います。一方で、農業界の問題を技術で解決しようとした際の障壁も感じています。
─ ヒアリングされた際に受けた印象の一つ、ということでしょうか。
実際にJAさんに「スマート農機」に関するヒアリングに行った際、そのインタビュー中に2回も「スマート農機の操作がわからない」という旨の電話がJAさんに来ていました。農家の方が高齢化しているなかで新たな機器を導入する難しさや、その操作支援ができる職員の方の少なさなどの問題も見えてきたことが印象に残っています。業界としての危機を強く感じると同時に、高専生として、ものづくりで解決してあげたいという気持ちは強くなりましたね。
─ その思いを形にしたのが「選果せんか?」ということですね!
ものづくりに携わる高専生として、農業全般の人手不足をテクノロジーで助けたい、という思いは常に持っていますね。今回提案した「選果せんか?」が、その第一歩になると確信しています。
─ 研究室についてお訊きします。研究室や指導教員の方の雰囲気はいかがですか?
高専生的な意味での自由な雰囲気ですね(笑)。とりあえず作ってみよう!という流れは大事にしています。これは鳥羽商船全体の校風でもあると思っていて、手を動かすことがかなり身近で当たり前、みたいな空気があるんですよね。そういう「やってみよう」という意思を白石先生はサポートしてくれる、支えてくれるという印象があります。あと、研究室独自の勉強会として、オフィスソフトの研修会を開いてくれているのが個人的に嬉しいです。
─ とにかくやってみることの大切さは、高専生なら大事ですよね!DCONに出たきっかけも「やってみよう」からですか?
実は毎年出しているんです(笑)。過去一度だけshiraishi labとして本選に出た時があったのですがその時のメンバーは卒業しており、それ以来の本選出場を目指して頑張ってきました。去年惜しくも本選を逃したときのチームメンバーも居るので、今年こそはと本気で優勝を取りに来てます。
─ DCONで苦労した点は何ですか?
やはりビジネスモデルの構築になりますね。元々やっていた共同研究は大規模プロジェクトの一部であったため事業性が薄くても使ってもらえたんですが、いざ単体で事業化しようとすると難しかったです。メンターの河瀬さんと二人三脚で勝つための事業内容を練り上げています。
─ メンタリング制度がDCONの大きな特徴の一つですよね。他にDCONの制度でよかったことはありますか??
準備期間が長く取れるのが嬉しかったですね。以前CVG(※)という大会に出た際はコンセプトだけの発表でもOKでしたが、その分発表までの期間が短くて苦労した覚えがあります。その他にもDCONではAIの学習資源の提供や技術支援もお願いできるので、開発へのサポートは手厚くて感謝しています。
(※)CVG:キャンパスベンチャーグランプリ、99年に初回が開催された学生起業家の登竜門
─ 今回本選を戦う際のライバルチームや過去印象に残ったチームはありますか?
ベタですが、同じ鳥羽商船高専の「ezaki-lab」さんです。実は、2年前にCVGという大会に出た時はリーダーの萩田がezaki-labの所属だったんです。しかも今回、その時後輩だったメンバーがezaki-labとして本選に出てるんですよ(笑)。本選で直接対決できるのが楽しみです!!
─ おお!同じ高専のライバル関係は面白いですね!!チームとしての自信を教えてください。
私たちshiraishi labは、AIのことなら他の追随を許さないと自負しています。そしてそれを研究室が長年培ってきた農業という分野に組み合わせる。ここだけは絶対譲れません!
─ 最後に、本選に対する想いや意気込みをお願いします。
荻田さん:
農業全体の課題に挑戦する、というスケールの大きさに期待して欲しいです。
絶対に優勝してみせます。楽しみにしていてください!!
川上さん:
長い期間をかけて開発して、様々な人に助けられてここまで来ました。優勝を持って帰ります!!
松本さん:
去年逃した本選の舞台に来れました。リベンジを果たすため頑張ります!!
松葉さん:
初めてDCONに参加して初めて本選まで来れました。その勢いで優勝したいです!!
服部さん:
ここまで開発にかけたから、絶対優勝するしかないです!!
─ 力強いお言葉、ありがとうございました!!本選を楽しみにしています!!