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課題解決に挑む高専生たちは
世界を救うことができる

ウエスタンデジタル合同会社
プロセス技術部
シニアディレクター
鏡 直芳氏

データがもたらす可能性を
人類の幸せに役立てる

――高専DCON にどのような魅力を感じて、協賛いただいたのでしょう?

当社はデータストレージのグローバルリーディングカンパニーです。日々、世界中で大量に生み出され「データ」を保存・分析し、世界中のお客様に製品をお届けしています。
データは、機械学習やAIを通じて、あらゆる場面で分析・活用されています。これまで人間が成し遂げられなかったことを可能にし、医療や天候、交通など、人々の生活を豊かにします。高専DCONは、「日々増大するデータの活用を促進する」、「ディープラーニング×ハードウェア」、そして「未来ある高専生エンジニア・事業家を支援する」 というテーマを掲げています。これは、当社が掲げる「人類の可能性とデジタル化の融合を目指して、世界を変える画期的なイノベーションを生み出す」というビジョンと共通しています。データがもたらす可能性を見出し、人類の幸せのために役立てていく。DCONが持つそんな素晴らしい理念に賛同し、協賛させていただいています。

――貴社が企業賞を授与されたチームと、具体的な授賞理由を教えてください。

大島商船高等専門学校Smart Searcher開発LABにウエスタンデジタル賞を授与しました。ディープラーニングを用いてデータの可能性を最大限に生かしつつ、地球規模の問題を解決する可能性を秘めた作品に企業賞を授与したいと考えていました。同チームの作品「Smart Searcher NEO」は、まさに私たちの考えと合致するものです。地球規模の問題である食糧問題に取り組んでいる点、養殖の鯛の識別にディープラーニングを活用している点を高く評価しました。水中ドローンで餌を与えるシステムは、非常にユニークで夢があると感心しました。

――過去にDCON出場したチームの中から実際に起業する事例が複数出てきています。今後、起業を目指す「DCONスタートアップ」たちに向けてアドバイスをお願いします。

本選に出場した全てのチームに、事業化の可能性を感じました。皆さんの熱意と努力は、多くの人を巻き込み、その可能性は具体化していくと思います。高専DCONは、皆さんを経験や知識、人脈などの面で支援してくれる心強いサポーターです。「ワクワクする気持ち」を忘れず、社会と世界に一歩踏み出す挑戦をしてください。

常に新しいものに目を向け
自ら新しい道を切り開く

――貴社のAIを活用した事業やお取り組み、今後のAI活用の展望などをお聞かせください。

当社では、半導体「フラッシュメモリー」とハードディスクドライブ (HDD) 、双方のデータストレージを開発・生産しています。国内の工場には、IoT技術の塊のような半導体製造装置が数千台規模で設置されています。多くのセンサーから検出された膨大な出力データをデータサーバに蓄積。製品の検査データを組み合わせ、AIを活用することで高度なプロセス制御や異常検知を推進しています。

――高齢化や過疎化などを背景に、テクノロジーを活用した地域の社会課題解決が、今後さらに重要となってきます。これからの社会を支える高専生たちに、どのような課題に対する取り組みや役割を期待しますか?

各チームが地域住民の方々と密にコミュニケーションを取り、それにより見出された課題の解決を目指していました。どの作品も、非常に現実的、具体的な事業計画を提示していることに感動しました。高齢化や人手不足、安全かつ働きやすい職場の環境づくりなど、私たちの目の前には多くの課題が存在します。課題を見つけ出し、解決のために努力する姿勢が素晴らしいです。高専DCONに参加されたすべての高専生たちは、地域だけでなく、世界を救うことができるのです。今後も自信を持って作品の開発に取り組んでください。

――AIを基軸とする今後の社会変化を踏まえて今、高専生に取り組んでほしいことは何ですか?

高専生の皆さんは、AIの成長期を支える重要な時代を担っています。皆さんの最も重要な役目は、先輩たちが敷いた道を歩くことではなく、新たに道を切り開き、道標を立てていくことだと思います。可能性を高めるには、常に新しいものに目を向ける必要があります。AIのみならず様々な技術やビジネスモデルに触れて、さらに魅力的なエンジニア、事業家へと成長していってください。

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