高専生が社会に出たときに
活躍する場を提供したい

(写真左から 吉川氏、川上氏、中村氏)

トピー工業株式会社
専務取締役 経営企画、サステナビリティ管掌 
中村毅氏(苫小牧工業高等専門学校 卒業)

執行役員 DX戦略部長 
川上浩司氏

人事部長
吉川隆憲氏

ものづくり技術を実践的に学んだ高専人財
専門知識の高さと実践能力に驚かされる

――高専DCON にはどのような点を魅力に感じ、ご協賛いただいているのでしょうか?

今年の5月29日に開催された高専DCON2022をテレビで視聴し、高専生がディープラーニングをはじめとするAI技術とものづくり技術を融合して作品を制作し、事業評価を競うという真摯な取り組み姿勢に感銘を受けました。

当社は「鉄をつくり鉄をこなす」という企業理念のもと、昨年創立100周年を迎えました。また、今年から新たな中期経営計画「TOPY Active & Challenge 2025」を策定し、より一層の収益力強化を図りつつ、次なる成長に向けたイノベーションの追求とカーボンニュートラルへの対応等により、持続可能な社会への貢献とさらなる企業価値の向上を目指しています。

そのような中、ディープラーニングとハードウエアの融合から新しい価値を生む製品やサービスを高専生が競い合って創造するというところが、当社グループの特色である「素材から製品までの一貫生産」のものづくりの概念に通じると思い、協賛を決定しました。 

――御社ではAIやディープラーニングの分野について、どのようなお考えを持っているのでしょうか? また、御社と高専とのご関係がありましたらお聞かせください。

当社は新中期経営計画の基本事業戦略のひとつに「DX戦略推進による経営の高度化」を掲げています。デジタル活用によって継続して利益を創出していくには、DX推進のための基盤整備が必要です。当社では製造ラインの見える化やリアルタイムでの製造監視や指示、操業ノウハウの見える化などを進めており、ディープラーニングなどのAI技術は必要不可欠です。

当社には高専を卒業してすぐに入社された人財はいませんが、高専から大学・大学院へ編入学し、その後入社していただいた人財が一定数在籍しています。ものづくりの技術を実践的にかつ効率的に教育する優れた仕組みの中で育ってきた人財には一般の技術者と比べて専門知識の高さと実践能力に驚かされることが多くあります。今回、高専DCONを通じて、機械・電気・ディープラーニングという新三種の神器が揃った技術者を育てるという高専DCONの主旨に賛同するとともに、ものづくり企業としての当社の存在を知ってもらい、将来当社を含め社会でその能力を存分に発揮していただけるような人財にお会いしたいです。

――年々企業評価額や投資額の最高額が上がり、作品の水準も上がっています。高専DCON2023の参加チームや作品には、どのようなことを期待されていますか? 

やはりディープラーニング技術を活用して、いろいろな課題を解決できるソリューションを提供してもらえればと思います。例えば製造業ではまだまだアナログ的なことが多いですし、高度なスキルに依存して製造工程がつくられていることが多い状況です。何かを自動化・省力化しようとすると大掛かりなものになりがちですが、そこを解決できるようなソリューションを期待したいです。

――具体的には、どのような社会課題に取り組むことを期待されますか?

日本だけでなく世界各地の現場で働く人たちは多様化していきます。そういう意味で、グローバルレベルでの課題解決に取り組んでもらいたいと思います。

実社会で活躍している自分を想像し
豊かな発想力を磨いてほしい

――DCON2023では、どのようなチームに企業賞を授与したいとお考えでしょうか?また、企業賞を出したチームとどのような協業がしてみたいか、などについてお考えをお聞かせください。

学生だからこその発想力で生まれるアイデアを期待しています。そのアイデアで我々企業側に気づきを誘発させるようなチームに授与したいと思います。そしてそのアイデアで我々の製造現場を抜本的に改善できればいいですね。

―― 現在、日本企業が競争力を高めていくなかで、既存事業に対するAI技術の利活用、または融合は不可欠なものとなりつつあります。そのような中で、高専生のような人材はどのようなことに貢献できるとお考えでしょうか?

企業は広く社会から信頼され、社会とともに持続的な成長を遂げることが求められています。安心で健やかに暮らせる豊かな社会を実現するために、環境負荷低減や自然共生に向けた取り組みが必要不可欠です。高専生の皆さんは、より実践的で知識も高く想像力豊かな人財であると思います。企業側は彼らの強みを生かすことで、脱炭素やカーボンニュートラル等に向けたサステナブルな社会に貢献できるのではと思います。

――高専生へのエールや、学生の今だからこそ取り組んでほしいと思うことをお聞かせください。

高校生活と違って、仲間同士で5年間という濃密な関係を築くことができる高専生活です。学業もさることながら、学生生活、寮生活そして部活動など5年間でなければ得られない貴重な経験を積み、人とのつながりを築き上げることを望みます。そして、高専生の強みでもある「実験」を通じて自らの手を動かして「まずはやってみる」ということを身に付けていただきたいと思います。そして、実社会で活躍している自分をイメージして発想力を磨いていただきたいと思います。その豊かな発想力が、皆さんが社会に出てから活躍する大きな力となると思いますし、当社としてもそのような方が活躍できる場を提供していきたいと思います。

皆さんには、広くあらゆるチャンネルが広がっています。コロナ禍で制約されることが多くあったと思いますが、今後はぜひ、色々な機会を通じて同僚、先輩そして先生と恵まれた環境を生かして、更には、広くネットワークを形成して、全国、ひいてはグローバルに意見を戦わせる機会などをフル活用していだだきたいと思います。それと全く違う視点ですが、今の比較的時間に余裕のある時期に世界史、世界地理の勉強をして、実際に海外に足を運んで色々な体験をして欲しいです。歴史を知りその上で海外を知ると、いまのこのデジタル技術の発展や技術の展開の可能性を、身をもって知ることができるでしょう。

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