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DCON2023本選直前!突撃インタビュー!!- 長岡高専プレラボ (長岡)

DCON2023本選出場チームを取り上げる取材企画、第9回目の今回は「長岡高専プレラボ」の皆さんを取材しました。
DCONのプレ大会でも優勝チームを輩出したDCON常連チームが、今回も強力な提案を武器に参戦!

そんな彼らに現在の制作状況や本選に向けた意気込みを伺います。
今回は以下2名の学生さんにご協力いただきました!

・リーダー: 中倉さん

・開発担当: 池上さん

<チームの集合写真>

長岡高専

・新潟県長岡市に位置する国立高専。

・機械工学科 / 電子電子システム工学科 / 電子制御工学科 / 物質工学科 / 環境都市工学科の5学科。

・事業教育や産学官・地域連携にも注力。

・DCONにおいては2019, 2020, 2021に参戦し、優勝チームを輩出している強豪校!


ー 皆さんが取り組まれている課題と提案作品について教えてください。

私たちが今回取り組むのは、「”音”による工作機械の異常検知」です。

長岡市内のとある印刷工場さんにお話を伺ったことなのですが、その工場ではシールを印刷する際に糊の染み出しが起きて、製造したシールの商品価値が損なわれてしまう問題を抱えていました。

この染み出しは機械の不調により起きるのですが、現状では実際に不調で染み出したとしても自動で機械が止まるような仕組みがないため、常に作業員の方による監視体制が必要となってしまっているそうです。

この時に機械の不調を判断するために用いられているのが機械の”動作音”です。機械の不調のチェックに人手を要するのに人的コストがかかるのはもちろんですが、”音”による判断自体もある程度の熟練を要することが課題感となっています。
そこで、今回私たちはAIとIoTデバイスを活用することによってこの作業を自動化するためのシステム「その音どーいが? -音による異常検知で工場の人手不足を解決-」を開発しました。

ー 印刷工場以外でも応用が効きそうなシステムですね…! 最初にその課題に触れたのはどういった経緯からなのでしょうか。

元々、DCON以外にも様々な大会に挑戦しており、そうした取り組みの中で地元の方や企業の方と話す機会が度々ありました。印刷工場の方と知り合ったのもそうした経緯からで、課題について伺う中で、自分たちの持つ技術で問題解決のお手伝いができるかもしれないと思いました。実際に工場に赴いて作業風景を見せていただいたり、現状の工程についても伺ったりもしましたね。

ー なるほど。ところで、長岡高専では低学年から研究活動や社会に目を向けるための取り組みが実施されていると伺ったのですが…。

はい。それが私たちの名前の由来にもなっている”プレラボ”制度です。

研究の種を作ることや学生の教育を目的として、低学年からの研究活動を活発化するための様々な取り組みが行われております。研究体験以外にも勉強会やセミナーの実施、あるいは私たちのようにチームを組んで外部の大会に参加することなども行われております。

高専に入って来る学生は意欲も能力も高い子が多いのですが、5年間の間でモチベーションが下がってしまうことも少なくありません。そうした学生にとっては早期に研究活動に触れたり、実践を通して学習意欲を保つことができる制度となっています。

ー それは素晴らしい取り組みですね! 長岡高専プレラボチームといえばDCON初のプレ大会となるDCON2019において優勝し、DCON初の学生起業家(現 IntegrAI)を生み出したのも印象的です。

IntegrAIのお二人も僕たちと同じく工場での課題に取り組んだ上で優勝されているので、大きな目標です!

実はDCONを知ったのは彼らがきっかけで、私(中倉)が1年生のころにお二人が活躍されているのを目にし、強く憧れを感じたというのもDCON参加の動機になっています。
お二人の提案はカメラを使った作品でしたが、今回私たちの取り組む課題では工程的にカメラによる判定が難しく”音”を使っていることもあり、そうした点で独自性が出せればと思っています!

ー 今回、IntegrAIと同じく”工場”での課題に挑戦しているのには何か理由があるのでしょうか。

長岡が製造業が盛んで町工場などが多い、というのと僕たちがお世話になっている矢野先生がそうした地元の方や企業の方との繋がりが深い、というのが理由かなと思います。AIに関する技術もそうですが、地元企業の課題みたいなところに関してもプレラボ制度での繋がりを通して色々と学ばせていただいています。

ー 矢野先生の研究室では普段どのような研究に取り組まれているのでしょうか。

矢野先生の研究室では主に機械学習と音響関係について研究されています。私(中倉)は4年生なのでまだ本格的な研究には取り組んでいませんが、先輩の池上さんは専攻科でレコードプレイヤーの研究に取り組んでいます。

ー 本選までも残すところわずかとなりました。ここまでDCONに参加している中で何か苦労や学びなどはありましたか?

2つあります。

ひとつは開発スケジュールです。今回のテーマはDCONに向けて新たに始めたものなのですが、エントリーしてから本格的な開発を始めた上に色々他の作業なども重なっていたため、開発期間としてはかなり短くなってしまったためメンバー全員で協力していく必要がありました。

もうひとつは技術的なところで、今回私たちは”異常検知”という技術タスクに取り組んでいるのですが、AIの学習に必要なデータを集めるにあたり、異常時の動作音のデータがなく、また録音時に都合よく機会が故障するということもないためその点に関しては苦労しました。

詳細は伏せますが、最終的にこの問題はアルゴリズム的に解決しており、今回の技術的な工夫点になっています!

ー 本選で詳細が語られるのが楽しみです。ちなみにDCONではチームのサポートとしてメンター制度がありますがどのように活用されていますか?

僕たちのメンターはjig.jpの福野さんなのですが、実は過去に出場していたコンテストで審査員を勤められていたことがあり、元から面識がありました(笑)

印象に残ったアドバイスとしては、私たちがいかに技術的に面白い・高度なことをしているかという視点を持っていたのに対して、「DCONで必要とされる事業性をアピールするためには、顧客にとってどんなメリットがあるのかなどのビジネス的視点を持たなければいけない」と言われ、はっとしたことが記憶に残っています。

ー 目前に迫ったDCON2023本選に向けて意気込みやアピールポイントがあれば教えてください!

中倉:

開発時間が短かったですが、その中で課題調査・技術開発全てに全力を出し切ってきたのでその成果が出し切れればと思います!プレゼンに関してもブラッシュアップを続けているのでご期待いただけましたら!


池上:

自分は今まで研究に注力していたの、今回の大会参加は新たな挑戦になります。今まで触ったことのない技術も取り入れているので、そうした工夫点や強みに関しても伝えることができればと思っています!残りの期間もさらに良いものにするため頑張ります!

ー 最後にもうひとつだけ!今回上位入賞して賞金が出たらズバリ起業しますか!

作品や技術をご評価いただけたらぜひ学生起業してみたいと思います!!

ー ありがとうございました!本選も頑張ってください!

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