DCON2024の最新情報はこちら >>

DCON2023本選直前!突撃インタビュー!!
– D4AI (沼津)

DCON2023本選出場チームを取り上げる取材企画、今回は沼津高専 D4AIチームのみなさんを取材しました。

チームD4AIは保育士が抱える課題をAIによって解決するために高専本科4年生を中心に結成された5名で立ち上がったとか…?

そんな彼らに現在の制作状況や本選に向けた意気込みを伺います。
今回は以下4名の学生さんにご協力いただきました!

・リーダー :飯塚さん

・プレゼンター: 杉浦さん

・開発担当: 河合さん

・開発担当: 林さん

<チームの集合写真>

沼津高専

・静岡県の東部「沼津」に位置する国立高専。

・制御情報工学科 / 機械工学科 / 電子制御工学科 / 電気電子工学科 / 物質工学科の5学科。

・DCONにおいては2019, 2021, 2022に出場。

・毎年一風変わったテーマやプレゼンが特徴的!

— はじめまして、今回は取材へのご協力ありがとうございます.

初めまして!沼津高専チームD4AIと申します!

— 早速ですがD4AIの皆さんが今回挑戦する課題、そして課題の解決のために提案する作品について教えてください。

私たちは今回、「保育施設における保育者の負担軽減」に、AIを用いた技術で立ち向かいます。

現在、日本の大きな社会問題の一つとして「保育士・保育施設の不足」という問題が叫ばれており、待機児童問題の要因の一つにもなっています。

そうした問題の背景の一つには「保育士の負担の大きさ」が挙げられます。

保育施設における保育士さんたちのお仕事というのは非常に多岐に渡ります。さらに、小さなお子さんを監督する以上、小さなミスが大きな事故に繋がる危険性もあり業務には常に最新の注意を払う必要があり、こうした業務上の負担の大きさは、少なからず保育の担い手の不足に繋がっています。

こうした課題を解決するためのアプローチの一つとして、保育施設のDXの推進・技術による業務の改善が考えられます。

今回私たちは、その中でも特に柔軟性が必要とされる業務の効率化を、AIを用いてサポートすることを目指した作品作りを行っています!

— 保育にまつわる問題というのは確かに最近ニュースでも耳にしますね。
何かこのテーマに取り組むことを決めたきっかけなどはあったのでしょうか?

はい。昨年、静岡県にて起こった、園児が送迎バスの中に置き去りにされ命を落としてしまった痛ましい事件は皆さんも記憶に新しいと思います。

私たちは当時この事件をニュースで知りましたが、自分たちの住んでいる県で起きた事件に心を痛めたとともに、こうした悲しい事故を防ぐために何か自分たちに、技術者にできることはないかと思うようになりました。そうして勉強していたAIの技術を使って自分たちにできることを考えてみよう!となったのが、テーマ選出の、そしてチーム結成のきっかけですね。

— なるほど…。ところで、皆さんのチーム名「D4AI」には何か由来が?

電子制御工学科(通称 D科)の4年生を中心に集まったのでその名前になりました(笑)

— 本科4年生ですとまだ研究活動なども始まっていないかと思いますがAIの知識などはどこで身につけたのでしょうか?
(備考: 沼津高専では本科の5年にて研究活動が始まる)

僕たちの監督をしてくださっている鄭先生が開催してくださっているAIに関するセミナーを低学年のころに参加したのをきっかけに鄭先生や先輩方に教わったり独学したり…といった感じですね。正直技術・知識的にはまだまだ学びはじめたばかりなのでDCONでの作品制作も並行して学習しながらなんとか進めています(汗)

— 鄭研究室というと過去にも何度か本選に出場していますね!特に一昨年の大会でのコスプレはとても印象に残っています(笑)

そうですね。僕たちが参加していたセミナーもDCONに参加したことをきっかけにAIに触れる学生を増やすために新たに始まった試みのようです。

— なるほど!実際そうした試みから今年度のチームが生まれているのは感慨深いですね。ところで、皆さんは普段の開発はどのように行われているのですか?

主には4年生が中心に企画や方向性を考えていますが、技術的な部分に関してはDCON経験者の先生や先輩方にもサポートしていただいています。毎週のミーティングで課題や作業の分担を行い、基本はオンラインで開発を進める感じですね。

— オンライン開発!いまどきですね…! 開発の上で不便を感じることはないのでしょうか?

やはり設計やビジネスモデルについてみんなで討論する際などには対面でじっくり話あった方がいいこともあります。ですが僕たちは高専入学後がほとんどコロナによる対面自粛期間だったこともあり、オンラインでの授業や実習が多いため、オンライン作業には慣れている部分もありますね。

— ズバリ、最近の進捗はいかがですか?

残り1ヶ月ということもあり、技術・ビジネスモデル・発表の全てにおいて追い込みの期間に入っており、やや焦りも感じています(笑)

特に、実際の課題調査等を経ていく中で当初のシステムや構想が変化した部分もあるので、そうした箇所を本選までにどこまで作品に落とし込めるかが勝負の肝だと思っています…!

— 実際の課題調査もされているのですね。

はい。身近にある保育施設に伺い、保育士さんに現場での課題や私たちの考えるシステムについて生の声をお聞きしました。やはり実際の現場に伺ってみると、自分たちがわかった気になっていた事と現場での実際の状況では乖離があったり、自分たちが想像していなかった事に対してご意見いただいたり非常に学びが多いです。

— そうした調査やビジネスモデル検討などはカリキュラムとして学ぶわけではないですよね? DCONではそうした側面をサポートしてくださるメンターさんがついてくださっていますがいかがですか?

私たちの学科では4年次の目玉カリキュラムとして小型自律ロボットの製作&プレゼンテーションの演習があり、一応そちらでも簡単な課題調査は行った経験があります。

しかし、実践的な知識はほとんどないため、そうしたところは先生やメンターの方にサポートしていただいています。

私たちのチームには、ボストンコンサルティンググループの折茂さんがメンターとしてついてくださっていますが、ビジネス方面に関しては本当に熱心にご指導ご鞭撻をいただいており頭が上がりません(汗)

— メンターの折茂さんにはどのようなご指導をいただいているのですか?

心構え、ビジネスモデル、課題調査… 本当に自分たちに足りない部分は何から何までですね…。自分たちの甘い部分に関しては鋭くご指摘してくださり、度々お叱りも受けています(笑)
目的に対してすごくロジカルに、かつ熱量を持って物事を考える姿勢が本当にすごい方だと思います。

— 本選に向けて着々と準備が整っているようですが、何かチームや作品の強みがあれば教えてください。

チームの強みとしては、先生や先輩にDCONの経験者がいてある程度の知見を持っていることや、チームのメンバーが4年生中心でコミュニケーションをとりやすいことですね。

また、学科でハード・エレキ・ソフトを幅広く学んだ上でAIにも挑戦しているので様々なアイデアが出てきたり、分業がしやすいのも特徴かもしれません。

こうした特徴は今回の作品制作にも活かされています。

— DCONでは賞金として起業資金なども出ますが、起業も視野に入れていますか?

現時点では正直起業を強くイメージしているわけではありません。

ですが、今回のDCONは僕たちにとってある種の試金石だと思っています。

今の僕たちがどこまでやれるのか、僕たちの提案内容が社会的にどこまで必要としてもらえるのかを、本選を通して知ることができればと思います。

— 最後に、本戦に向けた意気込みなどがあれば教えてください。

僕たち自身はまだまだ知識的にも技術的にも初心者ではありますが、自分たちの学んでいる技術で困っている人を助けたいという想いがあります。

そのために、先生や先輩方、メンターの方にサポートしていただきながら精一杯知識と技術を吸収し少しずつでも成長を続けています。

本戦まで残りわずかですが残された期間で作品・発表の完成度をあげ、本選当日では審査員の方々や観戦してくださる方々に印象を残せるようにしたいと思います。

死ぬ気でがんばりますので是非とも応援のほどよろしくお願いいたします!

— ありがとうございます!本選での発表、楽しみにしております!!

© DCON 2023