DCON2023本選出場チームを取り上げる取材企画、今回は大島商船高専 Smart Searcher 開発LAB チームを取材しました。
現在の制作状況や本選に向けた意気込みを伺います。
今回は以下6名の学生さんにご協力いただきました!
・リーダー :日高さん
・サブリーダー: 岡村さん(前回の2022大会の準優勝チームのメンバー)
・3D CG担当: 深川さん
・ハードウェア開発: 河村さん
・ソフトウェア開発: 上野さん
・ビジネスモデル: 成田さん
<チームの集合写真>
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大島商船高専
・山口県に位置する国立高専
・全国的にも珍しい離島に位置する高専
・商船学科・電子機械工学科・情報工学科の3学科が存在する
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— まず初めに今回のみなさんの作品の概要について教えてください。
私たちは海洋ゴミ問題を解決するべく、海上ドローンによる海洋ゴミの自動回収システムを開発しています。海上にある海洋ゴミを無人で捜索し、回収船に通知するというのが作品の概要です。最終的には回収も無人船を利用し行うことを目標としており、そちらの開発も進めています!
— 最近では社会的にSDGs・環境問題への関心も高まっており、注目度の高いテーマですね! このテーマに取り組むことを決めたきっかけなどはあったのでしょうか?
はい。この問題を知ったのは、自分たちの学校がある周防大島が大きく関係しています。
山口県のお隣の広島県は牡蠣の養殖が盛んなのですが、潮流の関係上、大島にはしばしばそのゴミが流れてきます。実際、登校中などに流れ着いた海洋ゴミを目にすることは日常的でした。周防大島の住人も問題視しており、地域の方達が主催する海岸ゴミ拾いのイベントなども開催されていました。このイベントに私達も参加したのですが、その中で地域の方や町長さんに「高専生として技術の力でどうにかできないか」と相談されたのをきっかけに、「Smart Searcher」の開発が始まりました。
ー 身近にある課題から始まっているのはとてもいいですね!大島商船高専だからこそ、この作品の開発ができる理由などもあるのでしょうか?
はい!大島商船高専は”商船”高専ということもあり、教授陣や航海士など、海洋に関して海に関する多角的な知見を持つ先生が多いです。また地元で就職している方も多く、地域での繋がりも強いです。今回の開発に関しても、地域の方にたくさんお世話になりました!
ー ところでみなさんとても和気藹々とした印象を受けるのですが、このチームになった理由を教えていただいてもいいですか?
コンピュータ部と北風先生の研究室の学生を中心にチームメンバーをリーダーの僕(日高)が独断で決めました(笑)。みんなコンピュータ部の歴代部長を務めたり、CGができるメンバーやイラストをかけるメンバーなど専門性が高いメンバーが多く、まさに「オールスターチーム」であると自負しています!
ー オールスターチームですか…!取材にあたりご共有いただいた資料の3DCGやイラストもとてもクオリティが高く驚きました。またそんな中、みなさんがこのDCONで開発で苦労した点について教えていただいてもよろしいでしょうか?
それぞれ取り組んでいることや専門性が違うので、それぞれの苦労があると思います。1人ずつ話しますね!
河村さん:
僕は今回ハードウェアを担当しましたが、これまでハードウェアに関する開発経験がなく0から勉強しつつ、開発を進めていったためとても苦労しています。
岡村さん:
今回僕は資料作成を担当しています。みんなが一生懸命開発した作品や考えたビジネスモデルをどうやったら素晴らしさがより伝わるか考えるのに苦労しています。
成田さん:
僕は主にビジネスモデルについての検討を担当しています。一言でいうと「ゴミをどのようにお金に変えていくか」ということを考えることに難しさを感じています。
上野さん:
プロコンに参加した際にはシステムが上手く動かずに少々トラウマになりました(笑)。ただ川村くんがしっかりと直してくれて、今は問題なく動作していて安心しています。
深川さん:
僕は3DCGを担当しているのですが、これまではCGモデリングが中心でCGアニメーションを制作したのは初めてでした。特にアニメーションの中でも特にカメラワークに苦労しています。
日高さん:
僕はこのチームでリーダーを努めています。自分自身が抱え込んでしまう癖があり、ハードウェアの開発やビジネスモデルの検討も全部自分自身でやろうと考えていました。しかしチームみんなの支えもあり、みんなに頼りつつプロジェクトを進めていくことに大変さを感じながら、同時にチームメンバーみんなにとても感謝しています!
ー チームのみなさんがお互いを尊重していることが伝わってきます。特に今回は商船高専からの参加校も多いです。参加校の中でライバル視しているチームなどはありますか?
鳥羽商船高専のezaki-labチームです。今年だけでも顔を合わせるのは「プロコン(※1)」「GCON(※2)」に続いて「DCON」が3回目です(笑)。取り組んでいる課題も廃プラスチック問題と共通点が多いのでかなり意識しています。
※1 : 全国高等専門学校 プログラミングコンテスト
※2 : 高専GIRLS SDGs×Technology Contest
ー 今回のDCONで決着がつくかもしれませんね(笑) ところで、DCONは他のコンテストにはないメンター制度があります。メンターの方とのやりとりや印象的なエピソードなどを教えていただけますか?
メンターの方とは1週間に1度オンラインでMTGを行い、ビジネスモデルを相談しながら軌道修正をしています。印象的だったのは、メンターの岩佐さんが常におっしゃっている「ペインを明確にしないと売れない」という言葉です。私たちが解決したいと答えている海洋ゴミ問題は、世界的な社会課題です。しかしこの作品を普及させたいとなると、被害を実際に受けている人が誰か、顧客になる人は誰かを考えなければいけません。このようないわばビジネス的な視点はこれまで自分達になかった視点ですし、面白さも感じています。
ー 他のコンテストとは違ったビジネス面での評価があるのはDCONの面白さでもあり、大変なところでもありますよね!最後にDCON本選に向けた意気込み、そして注目してほしいポイントを教えてください!
優勝を目指したいし、目指すべきだと考えています!!!
また、注目してほしいポイントとしてはチームの総合力です。技術力の高さはもちろん、3DCGやイラストなどにも注目してほしいです!
ー 簡潔ですが、強い言葉ですね!期待してます!最後にもし今回のDCONで起業資金を獲得することができたらズバリ起業しますか?
日高さん:
はい、私個人としては起業資金がいただけなくても起業したいと思っています!今回のDCONのテーマで学生中に起業したいです!
ー 本日はありがとうございました!本選を楽しみにしております!