DCON2023本選出場チームを取り上げる取材企画、今回は仙台高専 RDS LABチームのみなさんを取材しました。
チームRDS LABは高専本科3年生が中心の5名によるフレッシュなチーム!
3年生といえば研究室にもまだ所属していない学年ですが、課題に対する意気込みと技術力は本物!
そんな彼らに現在の制作状況や本選に向けた意気込みを伺います。
今回は以下2名の学生さんにご協力いただきました!
・開発担当: 田坂さん
・開発担当: 下沢さん
<チームの集合写真>
—
仙台高専
・宮城県仙台市に3つのキャンパスを構える国立高専。
・2009年に宮城高専と仙台電波高専の2校が再編され、仙台高専が誕生。
・3類8コースの学類・学科により幅広い教育。
・DCON本選には今回初参戦!!自動運転という近未来を見据えての課題提案に大注目!
—
— RDS LABの皆さんが今回挑戦する課題、そして課題の解決のために提案する作品について教えてください。
私たちは今回、「路面の劣化状況調査の効率化」という課題に挑戦します。
皆さんも外を歩いていて、ひび割れや白線・標示のかすれといった路面の破損や劣化状況を目にしたことがあるのではないのでしょうか。ああいったダメージの放置は交通の安全を損なうため、定期的な状況の調査と保全活動が必要となります。
そうした調査と保全は主に自治体により行われるのですが、これまでの調査では人手での地道な調査や、高価かつ大掛かりな調査車両の使用が必要とされていました。
そこで、私たちはスマホを利用したポータブルな路面状況の検査・記録システムを構築することで、スマホカメラを車に取り付ければ誰でも素早く安価に、そして正確な路面状況調査が可能となるシステム「Road Damage Scanner」を提案いたします。
— 確かに路面のひび割れやかすれというのはよく目にしますね…。自治体に市民が報告できるような窓口が設けられている場合もありますが、あくまで今回は自治体への導入、という形なのですね。
そうなります。
— このテーマを選んだきっかけはなんだったのでしょうか。
みんなでアイデアを持ち寄って私たちの社会を取り巻く課題について考えた時、自身の身の回りの目に見える課題として、ふと路面の破損についての話が上がりました。
特に、路面上の白線などは現在普及のための開発と実験が進められている自動運転においても利用されるものであるため、解決すべき価値の大きい課題であると考え、テーマとして取り組むことを決めました。
— なるほど。皆さんは今回がDCON本選初参加かと思われますが、DCON参加の経緯について教えていただけますか?
リーダーの蛯名は昨年もエントリーをしていて、NHKの「サイエンスZERO」で放送されていたDCON本選の様子を見て興味を持ったそうです。
僕たちは今年から参加なのですが、蛯名の熱意ある説得に負けました(笑)
— テレビ放送から興味を持ってくださったのですね…!
本科3年生ですと研究室配属もまだだとは思うのですが、DCONで必要となる知識や技術はどこで学ばれたのでしょうか。
今回、僕たちの作品ではAI, Web, モバイル…様々な領域の技術を利用しているのですが、そうした部分はチームメンバーの持ち寄りですね。
各々が元々得意としていた部分を組み合わせつつ、知識的に不足しているAIの分野に関してはみんなで学んだり指導教員の先生や先輩にサポートしていただいてなんとか頑張っています!
— そういえば指導教員の方が複数いらっしゃるというお話も耳に挟んだのですが…。
そうですね。人口知能関係を研究されていて、普段の開発や計算資源の提供をしていただいている先生に加えて、高専にいらっしゃる前にベンチャー企業での営業経験のある先生がいらっしゃるので、技術・ビジネスの両面でご支援いただいています。
— それは心強いですね!ちなみにDCONでは各チームにおひとりずつ現役起業家のメンターもいらっしゃると思いますが、普段のやりとりなどはいかがですか?
心構えや方向性、作品の見せ方について相談させていただいています。
フランクながらも問題点などに鋭くきりこむ姿勢には色々学ばせていただいております。
— ところで、皆さんは普段どのように開発を行っているのですか?
基本はオンラインでミーティングをしながら進めています。
メンバーは全員開発ができるので、開発に関しては機能単位で細かく分担をしながら進め、
課題調査やビジネスモデルの考案など経験の浅い分野に関しては全員で協力して…という感じですね。
— 本選まで残すところ1ヶ月ですが、進捗の方はいかがでしょうか…!
開発とプレゼン資料の作成はほぼ完了しているので発表準備の総仕上げに入っています…!
残り1ヶ月で発表についても完成度を可能な限りあげていきたいです。
— 審査員の方々や視聴者の方々に注目してもらいたい強みやアピールポイントはありますか?
技術的な部分ももちろんですが、私たちの日常にひそんでいる、しかしながら大きな課題である道路の保全に対して目をつけ、綿密な課題調査を行いました。その上で自分たちの作品は課題にフィットした新たな解決策になりうると思っています。
本選ではそこを皆さんにお伝えできればと思っています!
— 本選出場チームで気になっているチームなどはありますか?
私達のご指導をしてくださっている先生が会社に所属していた時代にお世話になった方が、現在一関高専で教鞭をとっているため、一関高専は勝手にライバル視しています(笑)
— ところで、DCONでは上位入賞すると賞金として起業資金が出ますが、起業は意識されているのでしょうか。
リーダーの蛯名はかなり起業に前向きです。
もし賞金がもらえなかったとしても時期を見て起業するんじゃないでしょうか(笑)
メンバーの僕たちも、もし起業するのであれば彼についていきたいなと考えています。
— 最後に意気込みなどがあればお願いします。
今回初参戦ということで様々な不安や緊張もあり、制作の途中でも様々な失敗がありました。
しかし、そこで諦めずに挑戦を続けてきたのが僕たちRDS LABの強みだと思います!
課題調査、技術作品の作成、いずれもチームで力を合わせて全力で取り組んできたので、本選ではその成果を出し切れればと思います。
残り1ヶ月、さらに完成度をあげていくので本選を楽しみにお待ちください!!
— RDS LABの皆さん、ありがとうございました!!