DCONとは
ディープラーニング × ハードウェア
高専生による事業創出コンテスト
DCON(ディーコン)は、高等専門学校生が日頃培った
「ものづくりの技術」と「ディープラーニング」を活用した作品を制作し、
その作品によって生み出される「事業性」を企業評価額で競うコンテストです。
現役のベンチャーキャピタリスト(VC)である本選審査員がその事業性を評価し、
最も「企業評価額」が大きいチームが優勝となります。
コンテストを通じて教育プログラムの提供、現役起業家経営者によるビジネスプラン・プレゼンテーション指南から、コンテスト参加後の起業・事業化支援プログラムまで一気通貫したサポートがあることが大きな特徴です。
「DCONスタートアップ応援基金」による資金提供や創業バックオフィス支援、事業メンタリングなどのサポートを受け、これまでに6社の「DCONスタートアップ」が誕生しています。
開催の背景
COVID-19をきっかけに我々の価値観、生活様式は一変しました。社会全体で、オンライン化やデジタル化の流れが急速に進んでいます。
こうした変化は、ディープラーニングをはじめとするAIの活用を、いままで以上に取り組みやすく、また、効果的なものにしています。
COVID-19後の新しい世界において、AIが社会を構成するために欠くことのできない技術であることは間違いないことだと思います。
ディープラーニングの技術は、相変わらず急速に進展しています。
特に、深層生成モデルや深層強化学習などの進展は目をみはるものがあります。ロボットや機械への適用をいよいよ現実のものにしていくことでしょう。
また、物理や化学などの基礎的な学問におけるディープラーニングの活用も進んでいます。多数パラメータによる現象のモデル化は、従来の科学技術のあり方そのものを変える、大きなパラダイムシフトを生む可能性があります。
日本の強みを活かし、産業的に大きな成功につなげていくためには、ディープラーニングとハードウェアの融合が欠かせません。
カメラ、センサ、アクチュエータ等を用いながら、新しい価値を生むような製品・サービスにつなげていくことが必要になります。
そこに、高等専門学校生(高専生)の可能性があります。高等専門学校は、日本独特の教育制度ですが、ものづくりの技術を実践的にかつ効率的に教育する優れた仕組みです。高専生がディープラーニングを身につけることで、機械・電気・ディープラーニングという「新・三種の神器」が揃った20代の人材が、日本に数多く誕生することになります。
そのための第一歩として、ディープラーニング協会では、高専DCONを開催しています。
メッセージ
主催からのメッセージ
高専生よ、自信をもって新たなイノベーションを
高専から、世界で躍進する企業をものづくりに密着した「現場感のある」「実践的な」ディープラーニングの活用によって解決できる社会課題はたくさんあります。
全国各地にある高専で、学生たちがディープラーニングを学び、新たなスタートアップが生まれ、投資資金が首都圏から流れれば、地方経済にとっても大きな刺激になります。また、地方にある優良なものづくり企業と連携していくことで、地元企業の底上げにもつながり、その先には世界で通用する企業が生まれてくるかもしれません。
過去入賞チームの中から、実際に起業に至る事例も出てきました。「ディープラーニング×ハードウェア」を武器に、世界一になる企業が生まれてくるかもしれません。
高専生自身が今の時代に自分たちのもつ潜在的な価値に気づき、自信をもって新たなイノベーションを生み出してもらいたいと思っています。
DCON実行委員会 委員長
全国高専連合会からのメッセージ
DCONで能力を開花させよう
DCONへの期待
高専生は日頃から手を動かしものづくりを行うことや、自由な発想で課題解決をすることに長けています。私は、皆さんの素晴らしい能力を知っています。その能力がDCONにチャレンジすることで大きく開花します。これまでも多くの高専生がチャレンジし、起業していきました。DCONは間違いなく高専生の新たな可能性を見せてくれる場であると思います。
DCON参加者、挑戦しようとする方へのメッセージ
ディープラーニングはひとつの手法でありツールです。このコンテンストは、そのツールを使って課題解決のためのアイデアを練り上げることに本質があります。始めるといくつもの壁にぶつかるでしょう。諦めようと思うかもしれません。そのとき隣には仲間がいます。それぞれの能力を持ち寄って乗り越えていく、そのことが皆さんを大きく成長させます。今こそ、皆さんのアイデアを世の中に示しスタートアップを始めるときです。今年もその成果と見事なプレゼンテーションを見られることに期待しています。
一般社団法人
全国高等専門学校連合会
会長 鶴見 智
国立高専機構からのメッセージ
DCONへの期待
高専(KOSEN)は、昨年の高専制度創設60周年を経て、新しいステージを迎えました。これを機に、より一層、社会の要請に応えて新しい時代を創り出す「人財」の育成に向けて益々進化してまいります。
とりわけ、これまで我が国が得意としてきた「モノづくり」に「デイープラーニング・AI」を組み合わせて、時代を先導する新しい産業を生み出し、それを社会実装していく「コトづくり」の重要性が益々大きくなっています。この中で、DCONは、高専生の自由な発想を基本として、新しい時代の新たな価値を生み出し、起業や社会のイノベーションをもたらす重要な取り組みの発表の場になっています。 DCONが社会変革を後押し、新時代の創生に貢献する存在となっていることを確信し、今後の益々の発展を期待しています。
DCON参加者、挑戦しようとする方へのメッセージ
DCONにチャレンジする皆様に心からのエールを送ります。これからの社会は人を幸せにし、社会の発展をもたらす新しい価値の創出が求められています。さまざまな科学や技術の成果を、社会的な視野から、人に優しく、社会の発展につなげる形にして現実社会に落とし込む(社会実装する)作業は簡単ではありませんが、そのための試行錯誤、困難への挑戦は、皆さんを大きく成長させてくれるはずです。社会とのつながりを持って、高度の科学技術はもとより人の幸せや社会の発展に貢献する視点など、多くのことを学びながらチャレンジ精神(高専スピリッツ)を発揮して取り組んでください。
高専生の特性に基づく底力で、社会の期待に応えて、「Social Doctor」、「イノベーター」としての力を発揮していただくことを期待しています。
独立行政法人
国立高等専門学校機構
理事長 谷口 功