【開催レポート/動画】「DCONオンライン特別講義」審査通過のポイントもお話しいただきました


2023年9月14日・15日、DCON実行委員会事務局主催の「オンライン特別講義」を開催しました。
DCON応援企業の皆様に、これからの未来にAIをどのように活用していくか、取り組んでいる社会課題などについてお話しいただきました。
また、DCON実行委員会事務局長の岡田より、DCONに参加する学生必見の「事業プランのポイント」や「本選審査のポイント」。1次審査員の猪狩さんからは「1次審査通過のポイント」をそれぞれご講演いただき、大盛況の2日間となりました。

このレポートでは、DCON2024オンライン特別講義の様子をお伝えします。

9月14日(木)16:00~17:00

DAY1:アーカイブ動画

16:00‐16:20:DCON実行委員会事務局長直伝「起業のススメと事業プランのポイント」

DCON実行委員会事務局長 岡田隆太朗

一人目の登壇者は、DCON実行委員会の事務局長・岡田隆太朗です。

自身も数々の会社を創業した経験から、起業のススメとして株式会社の仕組みやメリット、社会意義などをわかりやすくお話ししました。

2022年はスタートアップ創出元年として日本が5か年計画を発表し、高専からの起業が国策として推進されています。「祝福された時代に高専にいる」という岡田事務局長の言葉にもある通り、今は起業にチャレンジするのにとてもいい時代です!

起業にはたくさんのメリットがあることを実例を交えながら紹介。特に一番大事なのは社会に貢献できるという点です。

そして、「DCONは起業するのに最短のトレーニングメニューが揃っている」という言葉の通り、実際にDCONの出場を期に起業した会社の紹介や、1次審査に通過した全高専生にDCON StartUp1億円基金から寄付や起業支援のバックオフィスサポートを受けられる権利があるということを説明しました。

講義終了後にはDCONに参加したい・参加予定の学生からたくさんの質問が届きました。

質疑応答

Q:DCONに参加した学生の進路について

優勝チームは進学して起業している方も多いが、普通に就職している学生もいる。今までに参加した(本選出場の)50チーム中8チームが起業している。

Q:プロダクトのビジネスプランを考えるにあたっての想定範囲は?

ビジネスプランを考えるにあたってプロダクトから入るのも大事だが、実際の社会の課題をどう解決するか、といった視点から考えるのが良い。

Q:学生起業は学業と両立できるか不安。1日どれくらいの時間を事業に充てるべきか。

社長であるあなた次第!起業して学業と両立する先輩を紹介するので聞いてみるのも良い。創業時はプロダクトがあるわけではないので、受託開発を行うのが良い。

16:20‐16:40:企業講義①:トヨタ自動車株式会社「トヨタの考えるデジタル化の未来」

人事部 主任 入部 大護 さま
先進データサイエンス統括部 グループ長 岡本 昌之 さま、矢野 正雄 さま

2人目の登壇者は、DCON応援企業であるトヨタ自動車株式会社のお三方。

トヨタ自動車株式会社が一番大事にしていることは「クルマづくりを通じて社会に貢献する」、自社の利益だけでなく社会の発展を重要と考えているそうです。

自動車が開発されてから歴史を重ね、現在は100年に一度の大変革期を迎えていて、社会構造も刻一刻と変化しています。そこでトヨタ自動車は、考えている近い未来に移動手段が変わり一般化するかもしれない、その未来の発展にはデータサイエンスの分野がとても大事であると考えているそうです。

後半では、実際にトヨタ自動車株式会社がどのようにAIやデータサイエンスを活用しているかを実例を交えて紹介。そして、高専生の参加者に「誰かのためにという思いが技術やサービスを開発する原動力になっています。そして、自分のコアとなる専門性を高め、見識を広げることは全てDCONに通じるところがあるので、DCONへの参加を期待しています」と力強いコメントをいただきました。

質疑応答

Q:ディープラーニング技術の活用によって解決した課題はなにか

画像認識、音声認識、翻訳などで使われている。日ごろ使うようなものにもディープラーニング技術は使われている。また、トヨタ自動車でも、自動運転などに使われている。

Q:注目している技術、分野について

個人的には、生成AIや、量子コンピューティングに注目している。また、技術そのものだけでなく、技術の適切な使い方、ルールの制定も大事になってくる。(参加者の皆さんには)技術に関するアンテナをたて、課題解決にあたってブレスト会などを活用してほしい。

Q:トヨタイムズで公開されているAIバスケットボールロボットについて、なにかの課題を解決するためにつくられているのか

元々の業務課題が起点となっているわけではないが、技術へのチャレンジをや、技術に親しんでもらう良いきっかけになった取り組みである。また、イベントなどを通じトヨタ自動車を知って頂く機会になっている。

16:40‐17:00:1次審査員が語る「1次審査通過のポイント」

富士ソフト株式会社
技術管理統括部先端技術支援部AIインテグレーション室 室長
猪狩 宇司 さま

14日最後の登壇者は、第0回のDCONから審査員として参加している、富士ソフト株式会社の猪狩さん。学生が知りたい、DCON一次審査の基準やポイントをわかりやすくお教えいただきました。

一次審査の基準として大事なのは①事業コンセプトの内容、②ハードウェア(工業的なものづくり)が含まれているか、③ディープラーニングが用いられているかの3点。そして、”こういったエントリーシートは辛い”といったやってはいけないことの説明もありました。

最後にはやってみようか悩んでいる高専生へ、貴重な経験であり、一次審査の結果は審査員からコメントを付けてフィードバックされるのでぜひチャレンジしてほしいと強く訴えました。

質疑応答

Q:【最も理想的な】AIはどのようなAIか

人間の脳を基本的な部分を聞かれた時に直感的に使う部分と、複雑な部分を論理的に判断する2つの部分に分けた場合、前者は出来ているので、後者のようなAIが完成に向かうと良いと考えている。

9月15日(金)16:00~17:00

DAY2:アーカイブ動画

16:00‐16:20:DCON実行委員会事務局直伝「技術審査、本選審査のポイント」

DCON実行委員会事務局長 岡田隆太朗

2日目最初の登壇者は、DCON実行委員会の岡田隆太朗事務局長。

本選に進んだチームに行われる技術審査、本選審査が一体どのような物なのか。そしてどのような視点で行われるのかといった点を、技術審査員である尾形哲也氏(早稲田大学 教授)、本選審査員である川上登福氏(株式会社先端技術共創機構 代表取締役)それぞれに作成いただいた動画講義を使って紹介いたしました。

16:20‐16:40:企業講義①株式会社丸井グループ「将来世代の皆さんとインパクトを起こす!」

経営企画部 将来世代共創担当 課長
鈴木 伸啓 さま

2人目の登壇者は丸井グループの鈴木伸啓さん。

「DCON時の提案に、ぜひ弊社を混ぜてほしい」という丸井グループは現在、小売事業とフィンテック事業が一体となった独自のビジネスモデルを行っているそうです。そして、丸井グループが実現したいミッションは、すべての人がしあわせを感じられるような社会を創ること。そして「共創=お客様と共に作る」という言葉を主に置いて、社員や社会、利用客など様々な立場の方と共創していくために、様々なプログラムを進めているそうです。そして、色々な課題を解決する社会実験企業として、丸井グループで活用しているAIやディープラーニング技術を使って、DCON参加者と共にインパクトを起こしたい、丸井グループと一緒にやりたいという高専生待ってます!という熱い言葉で講演が締めくくられました。

過去には各マルイ店舗において実際に実証実験を行った高専もあり、参加者にとってとてもワクワクするのではないかという内容でした。

質疑応答

Q:丸井グループから見て、どのようなものが店舗にあると便利か

地球環境の課題を消費者に、かっこよく伝えられる色々なコンテンツを生み出す、”エモ”い店舗を生み出せるような場があるといいと思う。

16:40‐17:00:企業講義②株式会社アクセスネット「人財育成クラウドサービス」でのAIへの取り組み

管理本部ゼネラルマネージャー 大竹 秀幸 さま、
人財開発室マネージャー小島 正義 さま

2日目最後の登壇者は株式会社アクセスネットのお二方。

最初にお話しいただいた管理本部ゼネラルマネージャーの大竹さん。そして、社長の高石和生氏が共に苫小牧高専出身である株式会社アクセスネット。大竹さんが高専卒業後どのような経歴を歩んできたのか、現在どのような事業を株式会社アクセスネットで行っているのかといった点をお話しいただきました。最近では高専生を積極的にインターンシップに受け入れており、様々な高専生のイベントへ協賛を行っている同社は、高専生のことを真摯に考えておられると感じました。

そして、「過去の経験から、色々な出会いから引き出しを増やし、自らがチャレンジすることで、最終的に成功出来る」といったコメントをいただきました。

後半では、株式会社アクセスネットがどのようにAI技術を利用しているのかを自社のサービスを実例に挙げながらわかりやすくお教えいただきました。

質疑応答

Q:企業から見て、高専生はどのような印象か。

即戦力。一般の高校生に比べて経験やスキルも多い。

最後に

事業プランや審査のポイント、さらに現状の社会課題など、DCON応募に欠かせない様々な情報を講演いただきました。

DCONは気になるけど何から進めればいいかわからないといった学生や、今年こそは本選に出場したいといった学生に対してもとても有意義な2日間になったことかと思います。

なお、この講義はアーカイブで公開しておりますので、当日参加できなかった学生、もう一度見直したい学生の皆さまは、下記URLからご覧ください。

1日目:https://youtu.be/BaKkgEN2EpA
2日目:https://youtu.be/CsIbdf1wobY