2024年3月7日・8日の2日間に渡り、DCON実行委員会事務局主催の「オンライン特別講義」を開催しました。
1日目は本選技術審査員の佐々木さんより技術審査のポイントを紹介、DCON応援企業である日立産業制御ソリューションズの大島さんからは企業の現場で起きている課題をAIで解決する様子を講演いただきました。
AIの普及に関する質問も飛び交い白熱した初日公演となりました。
2日目には、本選メンターを努めていただいた柳原さんが登壇し「技術とビジネスの両立で社会を面白くする」をタイトルとしたビジネスでの大事なポイントをお話しいただいたほか、NECソリューションイノベータ株式会社 廣澤さんからはこれからの未来にAIをどのように活用していくか、取り組んでいる社会課題などについて講演いただきました。
こちらもヒント満載の講義となりましたので繰り返しご覧いただければと思います。
DAY1:3月7日(木)16:00~17:00
【DCON2024】 オンライン特別講義 Day1:2024/3/7開催
16:00‐16:30:「DCON技術審査のポイント」
佐々木雄一さん(Spiral.AI株式会社 代表取締役)
審査のポイントの「新規性」「信頼性」、発表の仕方について「安心感のあるチーム」と思われるよう、技術は”自分の言葉で話せるように”質疑応答の練習をしよう、と審査員目線の貴重な情報をいただきました。
質疑応答 Q:生成AIの普及や進化がはげしいですが、AIの成果は今後、科学界や社会にどのような変化を与えると考えていますか?
A:これは産業革命のレベルだと思います。インターネットができた時も以前以後と世界が大きく変わったんですね。 それと同じぐらいの大きな変化が今まさに AI で起ころうとしています。 本当に世界が変わるというレベルだと思います。
Q:一般の人々に 研究成果や技術の効果を分かりやすく伝えるためにどのようなアプローチをとっていますか
A:サービスを皆さんに使ってもらい、その裏側に実はこういうテクノロジーがある、という順番の方が受け入れてもらえると考えています。技術がどんなベネフィットをもたらすか、が重要です。
Q:気候変動に関連する問題に取り組む 取り組むために AI をどのように活用できますか
A:生活の中で家の中の電気の需要が正確に予測できていないというニーズがあったりするんですね。
その家の生活形態とか住んでる人の生活スタイルとか、実際の過去の電気消費量のデータから予測する今晩12時の電気使用料 みたいなもの 予測して、それに応じて発電所の稼働を調整してあげる、ようなフィードバックを回すと効率が良くなるという話はあリます。
その中で AIがマッチするポイントを探すのはいいのではないかと思います。
Q:AI の原理を知って活用を考えたいと思います。生成AIの仕組みについて勉強したいのですがおすすめの文書を教えてください。
A:せっかくなのであえて答えない方法にしたいですね。皆さんは、今、一番時間のある時期です。
勉強の仕方を考えるというよりも、せっかくなので身につけたら良いのではないかと思っています。 本屋さんに行って本を手に取って、自分はどういうものだったら学べるのか、というところから「学び方」を学んでいく、ということを、時間をかけてじっくりやると良いと思います。
16:30‐17:00:DCON応援企業講義「AI活用でお客さまの課題を解決するメソッド!」
株式会社日立産業制御ソリューションズ コネクティブエンジニアリング事業部 事業企画センタ 事業推進グループ 大島 健一さん
大島さんは茨城高専のご出身です。お客様の現場での困り事をはじめ、その解決策の立案・検証、使っていただく為の追加検証、導入後の成果、今後の計画と製造DXソリューションの提案事例をご紹介いただきました。
日立産業制御ソリューションズさんは「ワクワク」する未来を創造されている企業で、高専生の採用も積極的に行われているようです。
質疑応答 Q:デモで使用された機械ですが、開発期間、関わった人数、かかった費用を教えてください。
A:開発期間は約1年。関わった人数は約10名です。プロジェクトを通して関わった者、それぞれの得意分野を担当した者などさまざまです。金額は内緒にさせてください!
DAY2:3月8日(金)16:00~17:00
【DCON2024】 オンライン特別講義 Day2:2024/3/8開催
16:00‐16:30:「エンジニアが起業するなら知っておきたいこと。技術とビジネスの両立で社会を面白くする」
柳原尚史さん(株式会社Ridge-i 代表取締役社長)
「経営≠技術力」「キャリア形成・起業の極意」「強みの掛け算で100万分の1人材になるには」「失敗しない社長」というテーマに分けて強みを持つ人材の貴重さを伝えてくださいました。
質疑応答 Q:ビジネスモデルを考える上で アイディアはどんなところで考えていますか。話し合っている時なのか、散歩中なのか。アイディアを見つけるために 意識的に行動に起こしていることはありますか。
A:歩いてる時が多いです。自分の考えを整理するために歩くというケースもありますし、アイデアを築くためというケースもあります。
アイディアを見つけるということに関しては 課題に気付かないとそのアイディアに行き着かなかったりします。
僕がよくやるのは次の駅に行くまでに10個、何かの新しいことを考える、と決めて歩きます。 例えばあるインターフェースを改善するんだとしたら何をしたらいいか、常にエンジニアならではの視点で、対象物に対してもっと良くするにはどうすればよいか、みたいな事を10個ぐらい考えるというプラクティスを18歳ぐらいからずっとやっています。
Q:自分の強みをどうやって見つけていましたか
A:他者評価を柔軟に受け入れるしかないと思います。
結構大事なのが 目上の方々に「教えてください」って聞いてみること。
例えば完璧な資料を作った、と思っても「こういうの作ったんですけれども、もう少し良くするとしたらどういう風になりますか」 と聞いてみる。積極的に自分の強みになる改善ポイントを聞いていくということが大事なんじゃないかなと思います。
16:30‐17:00:DCON応援企業講義「分析データを活用するためには ~AI技術の現場適用~」
NECソリューションイノベータ株式会社 AI・データアナリティクス事業部 第二グループ AIサービスグループ 主任 廣澤 一輝さん
廣澤さんにはテクニカルアドバイザーとして貴重なアドバイスを沢山くださり、お世話になった方も多くいらっしゃると思います。
「AI技術適用までの4ステップ」
提案→検証(PoC)→システム検討→システム構築
・提案時のデータ活用で心がけている事
・検証(PoC)時のデータ活用で心がけている事
について細かくお伝えいただきました。
質疑応答 Q:ターゲットに対して商品のどのような特徴を推したらいいのでしょうか。どんな考え方でどういう特徴を当てていけばいいのでしょうか。
A:まずは データをちょっと観察、あるいは傾向分析する。見出した傾向によってどれを推すか決めることになると思います。
観察するデータの件数によって信頼性が変動する部分もありますので、その点のニュアンスを含めて何を推すのか、 どういうことを推すのかということを考えるといいと思います。
Q:AIを活用して仕事を行う上で最も難しかった点は何でしたか?それを克服するためにどのようなアプローチを取っていますか?
A:モデルの精度が目標に達しなかった時が一番難しくなる、煮詰まる部分ですね。
そういった時、他に仮説などがあれば切り替えればいいのですが策が尽きた時などは地道にデータを一件ずつ確認するといった泥臭い事をしないといけないと思います。その中で 新たな仮説が出せないか延々と考えますし、その時間に思いつかない場合は プライベートでも考えます。場所が変われば考えが浮かぶことが多々あるので、トイレだとか就寝前にも考えてしまいます。
最後に事務局より高専生の起業の成功を支援することを目的に設立した「DCON Start Up 応援1億円基金」についてご説明させていただきました。
DCONの1次審査通過者は全員応募資格があります!以下の5つの特長があり、リスクなく起業ができる仕組みとなっております。みなさん、ぜひこの制度を利用してください。
① 自己資金 0円で会社が設立できる、いますぐ事業が始められる
② 最大200万円の資金提供が受けられる
③ JDLAネットワークを活用できる(人脈、機会、設備など)
④ 「創業バックオフィス支援」が受けられる
⑤ 「事業メンタリング」を受けられる(松尾起業塾など)
この講義はアーカイブで公開しておりますので、当日参加できなかったみなさま、もう一度見直したい方は、下記URLからご覧ください。